最後の手紙で全てを測るなんて
そんな事は無理
優しい人であればあるほど
誰のせいでもないって
自分の弱さのせいだって
残された人のために書くだろう
会話が、態度が、文章が
その人の真意を伝えるのは不可能
そもそも生きている今この瞬間の
自分自身の本当の気持ちを
嘘偽りなく
勘違いもなく
自覚できている人が
果たしてどれだけ存在するのか
…おそらく殆ど、居ない
気持ちは揺れるし
変化しないものは存在しない
今がどんな気分だからって
その一瞬を切り取ったって
その人の全てを語れない
生きた時間の全てを
表現などできない
もうこの世に居ない人に
答えを聞く事はできないし
そもそも本人にだって
その瞬間、瞬間の、真実しか語れないのだから
本人にもわからないかもしれないことを
残された人が想像しても
答えは出ないし
答えなど、無い
でも
真実は、ある
真実は
それぞれの胸の中に今も存在している
短い人生の中で
その人と紡いだ時間
共鳴した事実
それらが真実でないなどと
誰が言えるのか
あなたはそんな宝物を抱いて
この後の自分を生きていく
失った事ではなく
出会えたこと、
関わったかけがえの無い時間にフォーカスする
それこそが真実
今世のギフト
あなたが人生を終えて尚、持ち帰れる
そんなギフトに
出会えた事に感謝し、享受する
今は無理でも…
そんな風に思える日が
きっとくる
