私は、音楽大学出身なので、もちろんクラシック音楽も聴くのですが、自宅で音楽をかける時は、だいたいYouTubeで「ジャズ」か「ボサノバ」です。カフェにいるみたいで、いい気分になります。クラシックは、敢えて「これを聞こう」と思わなければ、検索→再生はしないのです。なぜだか…(笑)
そして、ここ30年以上の音楽事情は全く分からず、流行りのものに疎いです。
……という背景があるのですが…。
最近、中学生の娘が、勉強しながらよくYouTubeの音楽を聴いていて、その曲が、とってもいいな……と、内心思っていました。何曲か気になる曲があったのですが、特にアーティスト名を娘に聞く事もなく、「今日もあの曲かー♡なんかいいなぁ♡」と思っていました。
YOASOBIの「夜に駆ける」
今、若い子にものすごい人気なんですね。YOASOBIは、作詞・作曲がAyaseさん、歌っているのは「幾田りら」さんで、小説を楽曲にするというコンセプトのコラボユニットであるそうです。幾田さんの透明感のある無垢な歌声が、世界観とマッチしてとても素敵です。
私は長年、いわゆる流行りの音楽と言われるものは、全く自分の感性に響かなくて、むしろ「これの、どこがいいんだろう…」と思っていました。
( ̄▽ ̄;)…みんな熱中してるみたいだけど、良さが本当にわからない…と。だからテレビの歌番組も見れなかったし、時代に乗り遅れて(乗るつもりが無くて)今まで生きていました。
けれど、最近で言えば、米津玄師さんなんかは、いいなぁ…と思うんです。いいなぁ…を通り越して「凄いな」とすら感じました。それはなぜかというと、クラシック音楽をやってきた自分からしてみたら、「予測できるメロディー」ってあるんです。こうなったら次はこう行くだろう…というのが。けれど、「そう行く?」「そんなことに?」という驚きの連続というか、その予想の斜め上の音楽に、感服してしまったんです。
それで、娘が聞いていたYOASOBIの作曲家AyaseさんはボカロP、米津玄師さんも、調べてみたら「ボカロ出身」とあり、今まで馴染みのなかった「ボカロ」いうワードが引っかかってきました。
ごめんなさい…、若い人にとっては当たり前の文化なんですが、いまさら知ったんですよ。いまさら知って、感動しているんです…。
ボカロ…というのは、ボーカロイド…つまり、ボーカル・アンドロイドの略なんですね。
「VOCALOID(ボーカロイド)とは、ヤマハが開発した音声合成技術、及びその応用製品の総称である[1]。略称としてボカロという呼び方も用いられる。メロディーと歌詞を入力することでサンプリングされた人の声を元にした歌声を合成することができる。
パソコンのソフトで作るから、予想の斜め上の音楽を創れるのかな…と思いました。通常のようにギターや、キーボードを使って作曲していたら、そもそも音域にも制限がありますし、生身の人間が歌う前提ですから、息継ぎの関係もあり、音程も音階も、歌い易さを無視しては作れません。だからボーカロイドでなければ、こんなに自由な発想はできないと思いました。無限の可能性の場で、作者が自由に遊べる事から、こういう音楽が生まれた。(…それを歌えている幾田さんの凄さ…((((;゚Д゚)))))))
実は、YOASOBIの曲はどれも好きだなーと思っていたのですが、他にも凄く気になる曲があって、ちょっと恥ずかしかったのですが、思い切って「~♪ ~~♬ってメロディーのは、なんていう曲なのかな?」と娘に聞いてみたんです。(鼻歌歌ってみた(笑))そうしたら、「ああ、それは、初音ミクだよ」と言われたのです!!
初音ミク!!!
私、もう十年以上前に、何かの番組でちょっとだけ特集を見たことがあったのですが、その時は、初音ミクがどういう存在なのか、実は理解できなかったんです。初音ミク、とは、架空のアニメキャラで、知らないクリエーターがその子をアーティストとして楽曲を発表しているのだと思っていたのです。そして、秋葉原の方々に支持されているんだなーくらいの認識だったのです。
しかし、そんなもんじゃ無かった!!あの頃の自分には理解できなかったけれど、これは凄い世界観の話だったのでした……。
初音ミク(はつね ミク、Hatsune Miku)は、
ヤマハの開発した音声合成システム「VOCALOID」に対応したボーカル音源で、メロディや歌詞の入力により合成音声によるボーカルパートやバックコーラスを作成することができる。息継ぎ、強弱も入力可能。また、声に身体を与えることでより声にリアリティを増すという観点から[2]女性のバーチャルアイドルのキャラクターが設定されている。(Wiki)
初音ミクさん♡
つまり、初音ミクは、ヤマハが作った音楽作成ソフトで、これを使えば、素人でも誰でも、「初音ミク」に自分の作った曲を歌ってもらえるわけです。そして、それを自由に配信できる。
こんなこと、みんな知っていたのだと思いますが、私は今回初めて知って、驚き……なんという可能性の無限さなんだ……!!と感動したんです。
一昔前までは、ミュージシャンになりたかった人は、自分で歌ったデモテープを作って、それを売り込みに行って、しかも、担当者に面会さえさせてもらえず門前払いになって(…想像です)日の目を見ずに終える人もたくさんいたはずです。つまり、自分の作った作品が世に出て支持されるなんてことは、才能の有無はもちろん、ものすごい段階を踏んで、奇跡のようなラッキーが重なって、ごくごく一部の人にだけ与えられたチャンスであったはずです。
それが。
今や、自分の自由に作った曲を、「初音ミク」が歌ってくれて、それを自由に配信できて、たまたま聞いてくれた人が気に入ってシェアしてくれて、それがどんどん広がって、めっちゃ認知される可能性があるんです。
そして、この音楽の存在に……。ここでも、私はアセンションを感じてしまったんです。こういう時代なんだ。こんな軽い波動で、自由で、豊かな時代になったんだ…と。
初音ミクの名前の由来は、「まだ見ぬ未来から、初めての音がやって来る」という意味が込められている。「初めての音」=「初音」「未来」=「ミク」
一般にはよく理解できなかった時代に、この発想で作品を世に出した人々がいて、それに反応した人がいた。それがどんどん広まって、世の中が成熟して、若い人達にあたりまえに受け入れられて。
初音ミクは、作者によって如何様にも変化し、無数の初音ミクが存在している。考えられないくらい自由で、無限で。。
一人のアーティストが、自分の肉声を使って、自分だけの音楽を表現するのも素晴らしいですが、その真反対にいる無限の存在、初音ミク。
その無機質とも取れる声に、むしろ心地よさを感じるようになりました。人間の肉声のような重さが無くて、むしろ音楽が素直に体に入ってくるというか…。無機質だけではなくて、人の声との絶妙なバランスがあって。この軽やかさが今の自分にはいい。ボサノバやジャズを聴いているのと同じ心地よさがあります。
ただ、このままボカロにハマるのかというと、そこは分かりません。…と言うのも、「好き!」と思ったのが、全てAyaseさんの曲だったからです(笑)YOASOBIも、初音ミクの「よくばり」も、Ayaseさんの曲だったので、単純にAyaseさんが好きなだけかもしれません(笑)
もともとの曲が素晴らしいから、こんな演奏にも発展するんですね。ジャズピアノの連弾で、彼らのアレンジがもう、カッコイイとしか言いようがありません!!即興でこんな超絶技巧、しかも息ピッタリ!!永遠に聴いていたい素晴らしさでした。ぜひこちらも聞いてください…♡
よみぃ&Jacob
『夜に駆ける〜YOASOBI』ピアノ連弾