数日前に、YOASOBIの音楽について書いたのですけど、自分でもどうしようもないくらいハマっており、一日に何度も聞いてしまいます。Ayaseさんの曲は全てですけど、「夜に駆ける」は特に中毒性があるというか、この魅力はなんなんだろう…と思う日々です。
夜に駆けるは、「タナトスの誘惑」という小説から作られた楽曲です。
https://monogatary.com/episode/33827
これをもとに、Ayaseさんが作詞作曲されました。初めて曲を聴いた時は、この曲のテンポの良さというか、疾走感のようなものや、幾田りらさん(YOASOBIではIkuraさん)の声や表現力の魅力が際立っていますが、そもそもYOASOBIは、原作小説を歌にするというコンセプトのユニットなので、その原作である「タナトスの誘惑」を読んでみたんです。
これ…。読んだ後に、歌詞を読みながら曲を聴くと、ドハマりすると思います。私は沼にハマっています。Ayase沼……です。
Ayaseさんは、26歳だそうですが、天才とはこういう人を言うのではなかろうか…と思います。「歌詞」という短い時間の中に、原作の世界観が凝縮されて、無駄が一切なく、それどころか原作に描かれていない内面まで想像してしまうような言葉選びが秀逸です(゚Д゚;) どうして、どうして、どうして、こんな言葉を綴れるんだろう…と。どんな経験をしてきたら、こんな風に書けるんだろう…と。
タナトスの誘惑…を先に読んでほしいのですが、これは若い男女が自殺をするお話なんですよ。この二人の行動がいいとか悪いとかの話ではありません…。この原作の主人公の、奥底に眠っていた自分で気づかなかった種が、ふと表に現れた。ただそれだけの事が一線を超えさせる。その軽さ…実際はこんなものなのかもしれないな、と…妙なリアルを感じました。小説は「夏の夜、君と僕の焦燥。」というお題で公募され、「タナトスの誘惑」を書いたのは、現役の大学生の方です。
「夜に駆ける」は、パッと曲を聴いただけだと、心地よい疾走感の曲だな!という印象を持たれると思うので、まさか自殺をする男女の曲だとは思わないと思うのですよね。
けれど、原作を読んだら、なぜAyaseさんが、このテンポで曲を書いたのかが良くわかる。と言うか、この速さだったからこそ表現できる状況と心情。歌詞も凄いけど、この軽やかさや、畳み掛けるようなテンポこそが、この主人公の「ボク」のその時の感覚を絶妙に表現している。
言葉も韻を踏んでいてリズミカルだったり、最初の文章が、終わりでその表現になっていくんだ( ゚Д゚)という伏線の張り方だったりとか、外に向かっていた主人公の心情が、自分の内面に向かった時に「転調」していたりとか…、考えに考え抜かれて作っている。なのに、それを一見感じさせないカッコよさ。チックタック…という言葉一つ取ってみても、この中に凄いたくさんの状況とか意味が含まれてる、このセンス…Σ(゚д゚lll)読み解くと深い…( ゚Д゚)…気づけば気づくほど、深い…深い…底なし沼にハマっていく……(゚Д゚;)( ゚Д゚)(; ・`д・´)
長い間思い悩んいて、熟考に熟考を重ねた上で、遺書をかいて、準備して、死を選ぶなら、こんな曲調にはならない。もっとスローで、言葉も重いもを選ぶはず。そうであれば、歌詞を熟読せずとも雰囲気から「自死の曲」だと想像できます。
けれど、「夜に駆ける」は、それとは真逆の軽さと、疾走感を感じさせます。そして、それこそが主人公の感覚を、ものすごく表現していたという……。
Ikuraさんの発声や、言葉の置き方、声質、表現も、唸るくらいハマっていて、彼女が原作を深く読み込んでいたのもわかるし、あらためてこの二人は本当にすごいコンビなんだな…と。
こういう歌詞や、こういう音楽って、一昔前のミュージシャンには作れないと思うんですよね……。この感性が、今の時代に生まれてきた若い人たちの、もともと持っていた波動の高さなんじゃないかな…と思います。生まれながらに感覚として、本質を知っている世代というのかな…。音楽も漫画も、今の若い世代が世に出しているものって、根源的なものをわかっていて書いてるのをすごく感じます。
こうして原作のタナトスの誘惑を読んだり、曲の深さを感じたりすると、こちらのJACOBさんのジャズアレンジは、本来なら凄く素敵でカッコイイのだけど、タナトスの誘惑とは別のもの……として、純粋に音楽として楽しむものなんだな、と思います。
文句なしにカッコよくて、めっちゃ楽しそうですよね……死の影が一切感じられません…( ̄▽ ̄;) でも、「夜に駆ける」が、ジャズアレンジしたくなるような、ワクワクするような魅力的な曲なんだという事は事実なので、こんな風に演奏家に影響を与えるAyaseさんの才能がすごい、という事ですね(笑)
最後までAyaseさん絶賛…(∩´∀`)∩の本日のブログでした。
Jacobさんの、この曲が好きだという気持ちは凄く伝わるなぁ…\(//∇//)\