新たな世界を見せてくれる人。
私にとって、それは小6の息子です。
私自身は男兄弟がおらず、父も仕事でほぼ不在という環境で育った為、男の子がどんな感じか全くわかりませんでした。
そんな自分のお腹の中に、『男の子』の遺伝子が宿り、それがだんだん大きくなっていく事は不思議な面白さがありました。お腹から感じる感覚は女の子と全く違いました。
私は、自分の子供に対しては、最初から『別の人間』という意識がありました。彼らがこの世で何かを体験する為に、私のお腹を貸したという感覚です。
初めて関わる小さな男の子。
例えば『泣く』こと一つとっても女の子とは違うんです。女の子の『泣く』は、自分を理解してくれない事への怒りが含まれている気がします。…まあ、これは私の感情が娘に投影されてそう感じた側面もありますが…。
女の子……『この状況を(お前が)どうにかしろ!』
男の子……『俺は悲しいーー😭』(これだけ。単純)
怒りや悲しみのベクトルが、外へ行くか、内側へ行くか、の違いを感じました。本当に全く違いました。
だから、母親は娘とバトルになりがちなんだと思います。自分を見ているようで腹が立つのでしょう(笑)
息子の涙には、ただ、ただ、ヨシヨシしたくなりました。私自身が責められていないし、ただ『俺はかーなーしーいー😭😭😭』なので、笑えてくるんですよね。
女は強く、男は優しいのです。
前置きが長くなりましたが、、、
そんな息子は幼い頃から工事車両が大好きでした。
私は工事現場は何となく嫌いで、それは自然破壊とか、環境汚染とか、そんなイメージがあって、私の好きなことの対極にある存在でした。
しかし、幼い息子がショベルカーやら、ホイールローダーに興味が一極集中だったので、毎日公園の砂場で重機のオモチャで遊び、近所で工事があれば立ち止まって働く車やオジサンを観察していました。おかげで沢山の重機の名前を私も覚えました。
息子の真剣な様子に、オジサン達は『お!僕、こういうの好きなのかい?』と話しかけてくれたり、危なくない場所で見学させてくれたりしました。
間近でみるショベルカーは、大きくて、ちょっとカッコよくて、しかも細かな作業をする時は、物凄く繊細な動きをしました。凄いな…と思いました。
息子のおかげで、自分の中の『嫌なもの』の別の側面を知り、見方がガラリと変わったのです。
そんな息子が最近夢中になっているのは、、戦闘機や戦艦などなんですね。
これまた、私は本当に苦手でして。とにかく戦いを連想させる物への嫌悪感が半端ないんです。嫌な気持ちにしかなりません。
しかし、そんな私に息子は、この戦闘機のどこが凄いか、何が他と違うか、など力説してくるわけです。
女性としては、戦闘機は人を殺すもの、環境を破壊するもの、悲しみしか生み出さないもの、です。
男の子は、、、違うんですね。フォルムのカッコ良さや、性能の凄さ、作った人の思いや人生、そんな事全てをひっくるめて心が揺さぶられるんでしょう。男のロマンなんですね。
戦争に使う道具として、私はやはりこれらをカッコいいなどとは思いませんが、息子が興味を持っている為に、息子を通して別の視点を知るのです。
同じ戦闘機を見て、私と息子は全く違うものを見ているわけです。良いも悪いもなく、ただいろんな感じ方がある。息子じゃなかったら、見たくもない物体でしたが、それについての対話が生まれ、違う考えに触れるキッカケになるのですから、やはり息子は私に知らない世界を見せてくれる人なのかなぁと思います。